秋の終わりの花がとても静かに肩を寄せあうように咲いている
川辺を散歩しながら、娘と小さな秋の花を集めて花束にした
小さな花たちは、決して同じではなくて完璧でもない
けれどもこんなにも美しい一つの景色になった
そしてそれは優しく心に響く
先日祖父が亡くなった、
娘にとっては曾祖父だ
摘んだ花束を手向けた
最後はベットでほぼ寝たきりになりながらも
それでも力一杯生き抜いていた
不要な延命は望まず死に際を自分で口にした
何年もベットにいて幸せだったのかわからない
想像もできないけれど
必死に生き抜いていた
幼い娘と会いに行くと、可愛いなと目を細めハーモニカを吹いてくれた
自分の信じた人生を全うした人だったけれど
最後は幸せだったのかな
幸せだったらいな
寂しくなかったらいいな
気丈な人だったからか
危篤の知らせを受けて向かった家族の到着を待つことはなかった
きっと、かっこ悪いとこ見せたくなかったのかな
なんて話した
もう一回会いたかったな
曾祖父さんもうおしゃべりしないね、と
まだ暖かな手を繋ぎ
人は死んだら空に行き
そして心に戻ってくるのだと娘に教えた
曾祖父さんのために心の中に部屋を一つ作って
綺麗にして整えている、と娘が言った
人は死んだらどこに行くのだろう
幼い娘の方がよく知っているかもしれない
私たちの日常は
何一つ変わらず過ぎてゆく
そして娘はまた一つ大きくなって
季節は冬へと移りゆく