雪の日
雪の日(タイトル借り)
雪が降ると子供の頃と同じように
心が弾む
そんな自分の心を、悪くないなと思う
東京に大雪が降った日
誰もが家路を急ぐ中
大急ぎで登山ブーツを引っ張り出し
家を飛び出した
騒がしい道路の音は、シンシンとした雪の気配にかき消され
空を見上げると、闇の中から白く光るものが
圧倒的な勢いで降り落ちてくる
わーと思わず声がでる
子供のように、弾む気持ち
夢中で歩き出す
いつもと同じ景色が
輝き出し 踊り出しているかのようだ
灰色の街が白く覆われていく
埃だらけの地面がまっさらな絨毯になる
空気は洗われ、空が青い
雪で覆われた渋谷の街は
圧倒的に美しかった
何者でもない、どこでもない
けれどよく知る場所
今なのか過去なのか未来なのかもわからない
時間を超える
旅をしているようだ
またあの大雪が降らないかな
そんなことを
今年も心密かに願う