御菓子丸 京都
昔ながらの京町家から生まれる、遊び心溢れる和のお菓子
色も形も可愛らしい 人々を幸せににする「和菓子」の世界。
京都市内の北側の町家の残る一角にある「お菓子丸」を訪ねました。
昔ながらの京町家に設けた菓子工房、静かな時間がそこには流れています。小柄な女性がパタパタと忙しそうに台所を行き来し、材料を仕込んでいる姿が小気味好い。
約5センチほどの、手のひらにおさまるほどの小さな和菓子の世界。
杉山早陽子さんにとって、和菓子とは自分が感じた世界を表現するものだそうです。日常の中の小さな気づきや、 四季の輝きをそこに込めます。小豆を炊いて、山の芋を蒸してと、用いるのはどれも伝統的な製法ですが、そこに小さな物語を乗せています。果物で色をつけたり、ハーブやナッツを加えたり、新鮮なアレンジも加えます。
和菓子の魅力は、「美しい存在でありながら、食べられ消化されていく “はかな さ”にある」そこに、心魅かれるのだと杉山さんは語ります。だからこそ、見て美しく、食べておいし く、記憶として体の中に残る体験を目指しているのだそうです。
テキパキとした手の動き、あっという間に餡を丸めて行く、手早く繊細な手仕事の世界。
見ているだけでワクワクするあめ色に輝く透き通るような淡い金色の菓子は『鉱物の実』。「遠い昔に実った果実が、化石になった」というコンセプト出そう。
京町家に設けた菓子工房では、彼女の指先から、お客さんをちょっと驚かせるような可愛らしいお菓子たちが日々生まれています。