冬の光
世の中に特別なものなんていうのはない
特別な時間があるだけだ
朝早い一人の時間が好きだ
冬の始め早朝は空気が冷え
静かな音がする
全ての景色を包み込み
あらゆる日常も巻き込み
全てをリセットするような時間
静かな特別な時間
闇の中に佇むと意識は未来よりも過去につながる
地面に吸い込まれる空気と音とがつながって
様々な過去が浮かび上がる
過去が地面にふつふつと浮かび上がってくるのを
そっと見守る
うっすらとした明かりがだんだんとあたりを包み込む
私も包まれる
過去と過去が混ざり合っていく
地面と空の境界線が濃くなって溶け合って行く
あたりが光に満ち
そのうちに過去が今に繋がって
いつの間に今日という日になる
力強い朝の光
冬の朝の光はゆっくりゆっくりとあたりをつつみ
ある瞬間に強烈に強い光になる
特別な今その瞬間を指し示すように
強い強い光だ
世の中に特別なものなんていうのはない
特別な時間があるだけだ
そして私だけの今この時間
今日という日