古賀充(造形作家)

海にほど近い静かな街にある自宅兼アトリエに
造形作家古賀充さんを訪ねた

何度か個展を見に行った時
思わずその可愛らしさに連れて帰ったことがある古賀充の作品

折り紙が大好きだった少年は手を動かすことから美術大学に進学したという

紡ぎ出す言葉から、彼の世界との繋がり方が居心地のいい作品へと繋がっているのだと感じた
「僕はこっちじゃないな」ということを感じていくうちに、自分の方向性を見つけた気がすると話してくれた


「作家でありながら“表現”にはしない、ということこ大切に
自分自身の思いや伝えたいことではなく、自分自身の視点、あるいは発見をかたちにしたい」

古賀さんの作品を飾ると、日常のさりげない発見を、そっと家に持ち帰ったような気持ちになる
その秘密はまさに作品に対する古賀さんの気持ちと、今に至る過程がそのまま現れていたからなのか

地元である茅ヶ崎の海で見つけた美しい石
「自分は、綺麗なものを“発見”することはできるんだ。じゃあ、これを作品にできないだろうか?」
その思いが作品作りの始まりだったという

石は素材ではなくて“存在”だと感じ
ものすごい時間を経て、自分の目の前にある尊い存在とどう向き合うのか
“波が削りだしているように、手で削る”ことで形にして、石たちの物語を生み出した

虫くいになった枯れ葉に感じた美しさに物語を感じたり

静かであるかどうか、ということをとても大切に
“なんでもないもの”をつくりたいと思っていると語る

自然界の無数の工程が偶然生み出したもの
そこでの気付きと発見が心地よい作品を生み出すのかもしれない