湖面の光
静かな湖面に映る景色に心惹かれる
大空高く輝く太陽は、眩しすぎて見ることができないけれど
太陽を反射する、木陰の湖面はこんなにも穏やかだ
空を駆ける雲の形に想像力を膨らませ
湖面に落ちる雨粒に目線を向けて
草木を濡らす雨音に心をかよわせる
何を美しいと思うのか
何を大切と思うのか
いつ自分の心が動かされるのか
ただ歩みを続けているだけでは気がつかない
そこで立ち止まり腰を下ろし景色を眺める時間が必要なのだ
そして改めて大切なものに気がつく
自分の生きたい未来について考える
日常の中に足を止めて景色や光に目を向ける瞬間が必要なように
人生という時間軸の中にも、きっとそういう期間が必要なのだと思う
けれど、立ち止まっている自分に焦りを感じてしまうのはなぜだろう
怠けているわけでも、後ろを向いているわけでもない
ちょっと立ち止まって考えているだけなのに
多すぎる情報と、早すぎる人の流れ
それがここ最近はまた、渦のように見えてくる
流れているもの、渦巻いているもの、逆流しているような感覚のもの
それは物でもなんでもない、ただの気配だ
自分を保つことのどんなに難しいことか
立ち止まることは悪いことではない
腰を下ろして、見えてくる景色があると信じ
そこに立ち止まることも必要なのだと思う